暮らすがえジャーナル

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「私らしい暮らし」で世界は平和になる?平安伸銅工業の考える「暮らすがえ」とは。

こんにちは。暮らすがえジャーナル編集部です。
暮らすがえを実践していくヒトビト、暮らすがえを支えるヘイアンの思い、暮らすがえにまつわるオハナシ…さまざまな角度から、「暮らすがえ」を掘り下げる「暮らすがえジャーナル」の2つめの記事です。
前回のお話では、なぜ今「暮らすがえ」を会社のミッションに掲げたのか、というお話をしました。

では、「暮らすがえ」とは一体、どういった行為なんだろう。
今回は、私たちが提唱したい「暮らすがえ」について弊社の代表竹内かよこがお話します。

竹内かよこ

突っ張り棒製品トップシェアを誇る収納用品メーカー、平安伸銅工業株式会社三代目社長。
つっぱり棒の企画開発で培ったノウハウを活かし、DIYパーツブランド「LABRICO」(ラブリコ)やインテリアブランド「DRAW A LINE」(ドローアライン)など、伝統と革新を併せ持つ「老舗ベンチャー」として、時代に合わせた商品開発を続けている。

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竹内かよこ

「暮らすがえ」は「心のざわざわ」を取り除くこと

――さっそくですが、「暮らすがえ」っていったい何でしょう。

そうですね、私は「暮らすがえ」とは、自分のありたい状態に合わせて、暮らしに手を加えることで「心のざわざわ」を解消することだと考えています。
自分のありたい状態は、本当に人それぞれだと思っています。ライフステージ、趣味、価値観、家族の成長…その時々で自分らしく心地よく暮らせるように、空間に自分で手を加えて「心のざわざわ」を取り除き、私らしい暮らしを作っていくことが「暮らすがえ」です。

――心のざわざわを取り除く、ですか…?

なかなかピンとこないですよね(笑)
でも、実は皆さんの中にもあるはずなんです。
「なんだか家事の動線がうまくいかないな」「子どもに自分で幼稚園の準備をしてほしいけど上手くいかないな」「部屋を片付けてもすぐに散らかって仕事から帰ってきたときにげんなりする」とか、暮らしに対するちょっと心がざわざわすることはありませんか?

でも「まあこの家はこういう間取りだから仕方ない…」「この棚は、こういう造りだからしょうがない…」と無意識のうちにそのざわざわに蓋をしてしまっている。でも、その「心のざわざわ」が解消できれば、より心地よく、自分らしく暮らすことができると思うんです。
そして「心のざわざわを解消する方法」って、業者を呼んでリフォームをしたり、新しい棚に買い替えたりする大掛かりなことばかりじゃありません。自分たちのアイデアや工夫で実現できることも、たくさんあるんです。

――「自分たちのアイデアや工夫で心のざわざわを解消する」って例えばどんなことでしょうか?

例えば、我が家では、夫が毎朝掃除機をかけるのがルーティンなんです。 でもある時、夫が、キッチンの横に掃除機立てを設置しました。話を聞くと「掃除のたびに廊下の押し入れに行くの面倒」と。 小さなことですけど、この一手間って心のざわざわだったと思うんですよね。押入れまで取りに行く手間がなくなって、私も掃除のハードルが少し下がった気がしています。

――確かに、ちょっとの距離でもいちいち取りに行くとなると面倒くさいですよね、それは「心のざわざわ」かも(笑)

あと、私は手仕事で作られた食器を集めるのが好きなんですけど、その食器たちを押入れにしまったままにしておくのが心のざわざわだったんです。しまったままだと手に取る機会も愛でる機会もどうしても減りますよね。それがなんだか嫌だなと。
なので、キッチンにオープンな食器棚を自分たちで作って、食器たちを見せて収納することにしました。好きなアイテムを日々手に取って眺めたり暮らしのなかで使用して楽しむことができて、幸せな気持ちになります。

ラブリコで作られた食器棚には愛用の工芸品が並ぶ。

自分らしく暮らせると、気持ちに変化が生まれる

――なるほど、ちょっとしたことでも、生活導線が整ったり、好きなものを飾ったりすることで「心のざわざわ」が解消されていますね。心のざわざわが解消されて、得られるものって何なのでしょう?

その人がより、その人らしく暮らすことができるようになり、気持ちの変化が生まれることですかね。

家事の動線がよくなれば、暮らしにゆとりが生まれて、心に余裕ができる。家が片付けばすっきりした気分になる。好きなものをいつでも手に取ることができれば、なんだか幸せな気分になる。
そんな風に、単に家の中が変わるだけじゃなく、気持ちにも変化が生まれるのが「暮らすがえ」なんです。

好きなものや植物を飾ることでテンションが上がるという。

少しの工夫とアイデアで、私らしさに寄り添い続ける「暮らすがえ」

「暮らすがえ」のもう一つのポイントは、少しのアイデアと工夫で、自分の手でいつでも暮らしを変えていけることですね。

――暮らしを変えていける、とはどういうことでしょう?

子どもが成長したり、働き方が変わったり、ハマっているものや好きなことが変わったり…私たちのライフステージや価値観は変わり続けていくものです。そして、そんな変化に応じて、家族や自分にとっての「心のざわざわ」も、どんどん変わっていくと思うんですよね。
でも、その都度引っ越したり、家具を買い替えたりリフォームをしたりするのは難しいですよね。

――確かに、生活が変わる度に引っ越したり家具を買い替えていたら労力もかかるし金銭的にも大変そう…

でも、実はその都度、少しの工夫やアイデアで心のざわざわは解消することができるんです。

例えば、突っ張り棒なら、設置する高さを変えたり、食器の間仕切りに使っていたものを玄関収納に組み替えたり、手軽にそれまでと違う用途で使うことができます。

我が家では、昔使っていた大きな本棚を、3歳の子どもの身支度スペースにつくりかえました。
とはいえ、そこまで難しいことはしていなくて、縦に置いていた本棚を横に置いて、そこに突っ張り棒をつけて、服やおもちゃを収納できるようにした…という程度の工夫です。
今は、私や夫がサポートする部分が多いのですが、もう少し子どもが成長したら、自分で身支度がしやすいように改良したいと思っています。突っ張り棒の位置を変えてもいいだろうし、もっと子どもが大きくなって、別の収納棚が必要になったら、この棚は、本棚として書斎に戻すアイデアも考えています。

お子さんのアイテムが詰まった収納棚。

こうした工夫ができるのは、突っ張り棒だけではありません。収納ボックスやマスキングテープなど、いろんな用途で使えるアイテムはいくつもあります。本棚だって「本をしまう」以外の用途で使ったって、何の問題もありませんよね。
こんな風に、アイデアと工夫で暮らしに手を加えて、生活の変化に寄り添った「私らしい暮らし」を柔軟につくっていくのが「暮らすがえ」なんです。

「暮らすがえ」が作る未来

――暮らしのなかの心のざわざわを取り除いて、自分たちの手で、自分たちだけの「私らしい暮らし」を実現することが「暮らすがえ」なのですね

そうですね。「私らしさ」や人生の中で大切にしていることが人それぞれなように、私らしい暮らしも、その実現の仕方も十人十色だと思っています。今回ご紹介した私が実践する「暮らすがえ」もほんの一例にすぎません。

「暮らすがえ」は、まだまだお伝えし始めたばかりの言葉です。でも、誰もが自分に合った暮らしを実現していくことは、とても大切なことだと考えています。
家は人生の半分以上を過ごす場所。いつでも自分らしく、いきいきと暮らせるようになると、人生の充実度がぐっと高まるはずです。
「暮らすがえ」で自分らしく暮らせる人が増えたら、世界は今よりも平和になる、私はそう思っています。
私は日用品メーカーの社長として「暮らすがえ」に寄り添う商品を届けていきたいですし、たくさんの人が「私らしい暮らし」を手に入れるお手伝いができればと思います。

さあ、暮らすがえ。

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