暮らすがえジャーナル

暮らすがえジャーナル

-好き-を詰め込んだ部屋は見ているだけで幸せになる。
イラストレーターの暮らすがえ

こんにちは、暮らすがえジャーナル編集部です。
「暮らすがえ」とは、ライフステージや家族の成長、季節や気持ちの変化に合わせて、暮らしに自ら手を加え、ありたい「私らしい暮らし」を実現していくことをいいます。今回は、フリーのイラストレーターとして活躍する、深町さんの「暮らすがえ」を探検します。
「“好き”だけが見える暮らしがしたい。」という深町さん。そんな暮らしを実現するための暮らすがえとは。

深町 怜央(Reo Fukamachi)

平安伸銅工業株式会社出身のイラストレーター。パートナーとインコの2人+1匹暮らし。可愛いものが大好き、パートナーの影響で最近野球観戦にハマっている。

「余白は埋め尽くしたい」「自分が“好き”じゃないものが見えていること」はいやだ!

深町さんのご自宅は、大阪府内のとある団地。水回りのきれいさに惹かれて入居を決めたそうです(取材当時)。
リノベーションで壁が取り払われた開放的な間取りと、真っ白で清潔な壁紙が特徴のお部屋。
でも、それが深町さんの心をざわざわさせるものでもあるそう。
「壁に余白があるのが嫌なんです、なにも無いと殺風景な感じがして。その隙間を、自分が好きだと思ったもので埋め尽くしたくなるんですよね。」
でも、自分の琴線に触れない、可愛いと思わないものや生活感がありすぎるものが目につくのも嫌なんだとか。
「パートナーが外で貰ってきた、ノベルティのボールペンとかがそのまま机の上に置いてると、少し嫌な気持ちになります(笑)」
「パートナーはそこまでインテリアにこだわりが無いんです。『ちゃんとペンも可愛いやつ買ってるのに、生活感が出るものを置かないで!』ってなりますね。でも、なんでもかんでも収納BOXに仕舞いこむのも嫌なんです。目に見える場所に、好きだと思うものだけを集めて囲まれていたいんです。」

玄関もお気に入りのアートで埋め尽くされている。

ふすまをマスキングテープで自らデコレーションしたそう。

コンセント、配管etc…いたるところに置物が。

真っ白な壁紙や扉を、“好き”と感じたアイテムたちで飾る。それだけでなく、キッチンやリビング、どんな場所も、自分が“好き“だと感じる空間にしたい。でも、全てのアイテムをお気に入りのデザインで揃えるのは金銭的にも難しい。
そんな深町さんは、どんなアイデアや工夫で「暮らすがえ」を行い、自分たちの理想の暮らしをつくっていったのでしょうか。

一番お気に入りの場所を尋ねると、即答されたのが洗面所。
もともと収納が一切なかった洗面所をおしゃれに、なおかつ機能的にするために、DRAW A LINEでオリジナルの洗面収納を作りました。

「洗面用品は“可愛いな”と思ったアイテムで揃えて、それを飾って使っています。どうしても生活感が出てしまうドライヤーなどのアイテムはキャラクターモチーフのヘアバンドで隠して見えないようにしたり、目線より下の位置に置いたりして工夫しています。」

生活感の出るドライヤーは見えにくい位置にフックでひっかけ。

奥にはなにやら愛くるしいキャラクター達が。

歯ブラシも可愛く収納。「カエルじゃなくてヘビです(笑)」

集めた“好き”を飾る、再活用する、リビング

生活の中心になっている場所が、キッチンやワークスペースが一つになった広いリビング。壁にはフライヤーやポストカードが並んでいる。一番目立つ位置にはレコードを飾ることができるラックが。

「レコードに針を落として音楽を聴くのって、特別感があって好きで。この部屋で音楽を聴いてリラックスするのがお気に入りの時間です」

飾るレコードは毎月変えてアートとしても楽しんでいるのだそう

キッチンは、どうしても生活感の出てしまう調味料や食料品だけラックや収納ケースに入れる。

「全部おしゃれなもので揃えるのはどうしても高くつくので難しいんですよね。できる限り、目に見える位置に置くものは、お菓子の瓶だったり小物入れだったり、可愛いなと思ったものを再活用して使っています。」

キッチンでは目立たせたくないものだけラックにしまう。

マリメッコのラテマグには塩と砂糖。

こちらはペットのインコ、ポミエちゃんの餌入れ。

食器棚もオープンラック「一番きれいに見えるように置いてます」

“好き”を詰め込んだ場所だから、過ごすだけで幸せな気分になる。

深町さんは言う。

「生活感あふれるパッケージのアイテム、あってもいいと思うんですが、私にとっては、どうしてもノイズに感じられて嫌で…自分の“好き”を詰め込むと、そこに居るだけで幸せな気分になりますよね、そんな空間にしたかったんです。」

気候が良い日は一番お気に入りの洗面所に座り込んでぼーっとすることもあるそう。

「洗面台を眺めながら『自分ってやっぱりセンスあるよなぁ』って自己満足したり(笑)」
「飾るだけじゃなくて、目に見えるもの、使うもの、全てが自分の“好き”で構成されると、毎日同じことの繰り返しのような普段の暮らしのなかで、楽しい気分を感じられるようになりました」

今回の取材でも、家の中の工夫やお気に入りのアイテムを次々に楽しそうに紹介してくれた深町さん。暮らしの中の隅々まで、彼女の“好き”が詰まり、 愛着のある暮らしになっているのが伝わってきました。

深町さんの「暮らすがえ」はまだまだ終わらない。

「おしゃれなポスターや家具や家電で埋め尽くすのはお金がかかるけど、フライヤーだったり、可愛いと感じた空き瓶だったり、自分の工夫次第でなんとかなるもんだなと思います。もうすぐ引っ越すのですが、次はワンルームでもいいなと思っています。次の家でも居心地のいい暮らしを作っていきたいです。」

編集後記

「好きなものを詰め込んだ暮らしを作りたい」「殺風景な暮らしはいやだ」そんな風に思い立っても、家の中のアイテムすべてを買い替えるわけにはいかないし、どうしたらいいんだろう…と悩んでしまいますよね。
でも、深町さんの暮らしは、いろんなアイテムを再利用したり、どうしても隠したいものだけ隠したり、少しずつ「暮らすがえ」を重ねて、日々の暮らしに“好き”を詰め込んでいました。
ちょっとしたアイデアで“好き”を諦めない暮らしができるかもしれない、深町さんの「暮らすがえ」に皆さんの暮らしのヒントはありましたか?

さあ、暮らすがえ。